王様とビッグイシュー ~王様とマリ③後編~

「なんじゃ、マリよ!これから忙しくなりそうじゃ。話は簡単にな!」王様は早く食べ物を集めたくてうずうずしているようです。
マリは言いました。「王様、なぜ、遠くの貧しい国に食べ物をあげるの?この国にも食べられない人はたくさんいると思うわ!まずはその人たちに分けてあげるべきじゃないかしら?」そう、マリはやっぱり、さっきのおじさんたちに食べ物をわけてあげるべきだと思ったのです。
しかし王様はいいました。「マリよ、これはただあげるというだけじゃないのじゃ!何せ、貧しい国に食べ物をあげるということは、それだけワシの国の偉大さを示す事にもなるのじゃからのう!」そう、王様にとっては、自分の国を周りの国に認めてもらうことも大切なのでした。そのためには、自分の国の貧しい人ではなく、遠くの貧しい国の人に与えてあげることが大事なのです。セバスチャンもいいました。「ここに居るものたちは、真面目に働いている人ばかりじゃないですぞ!自ら貧しくなった人たちもいるのです。働くより、自由を選んだ人たちが居るのですよ」セバスチャンはそういったが、マリにはとてもそうは思えません。もう一度、マリが王様を説得しようとした時、貧しい小屋の人たちがたくさんでてきました。
皆身につけているものはボロばかり、つぎはぎだらけ。おじさんばかりではなく、おばさんも。小さな子供もまじっていました。
さっきのおじさんが言いました。「王様、私達だって困っているのですよ。私、ビッグイシューを覚えてないですか?私はすっかり仕事がなくなったのですよ。あなたに教えてから、私はどうにもできなかったのです」そう、マリがあったおじさんには、王様は見覚えがありました。かって、王様の家庭教師をしていたビッグイシューではありませんか?
「先生、このような所お会いするとは・・。でも一体どうして、あなたみたいに賢い人にも仕事がないのでしょうか?私に教えてくれませんか?」王様は、かつての先生の酷い姿にびっくりしてしまったようです。ビッグイシューは答えます。「王様の家庭教師をしていたことで、みんなから避けられるのですよ。私は、先生しかできないのに。みんな恐れているのです。私を先生にすれば、王様に何かを吹き込まれはしないかと、おそれているのです。そうして、まったく仕事がなくなってしまったのですよ。」ビッグイシューはすっかり肩を落とした。
「そして、この小屋に住んでいる人達はみんな、働きたいのですが色々と難しい事情があるのです。体が悪かったり、心が暗かったり、小さな子供がいるものもいるのです。でも、王様が貧しい国にパンをあげるというのなら、それはとてもいいことですよ。」ビッグイシューはそういいきりました。
王様はいいました。「ああ先生、私がとても間違っていました。遠くの貧しい国にことより、私はまだまだやることがあったのです。私は自分の国を豊かだと思っていたけど、そんなことはありませんでした。私の国を偉大に見せようとするよりも、先生がパンを手にする事の方が大事なのです。」マリは思いました。私達は、自分のことしか見えていなかったのね。こんなに貧しい人がいることに、すっかり目をつぶっていたんだわ!「王様、それがいいわ!私は毎日退屈だし、私が食料を届けるわ。私のほうきなら、簡単に荷物を届けられるもの。」セバスチャンもこの提案に賛成しました。「貧しい国のことは、他の豊かな国に任せましょう。私達にはまだまだやらなくてはいけないことがあったようですな。」ビッグイシューはとても感激していいました。「王様、あなたに会えてよかったです。あなたは昔から心が優しい子でした。私も、この国がもっとよくなるように、協力させてください。」
こうして、王様はビッグイシューを再びお城で雇い、また小屋の人たちには毎日パンを届けさせるようにしました。もちろん、これで全ての人が救われたわけではありませんが。しかし、まず近くに居る人に手を差し伸べれば、その輪が広がっていくでしょう。世界の全ての人が手をつないだら、私達はもっとたくさんの笑顔に出会えるでしょう。
今、日本では、多額の援助が政府から行われていますね。確かに、外国を助けようとすることも大切ですが、日本にも明日食べるものがない人、住む場所がない人がいることも忘れてはいけません。今、生活保護なども大きな問題になっているなかで、果たして海外の援助をしていいものなのか。確かにそれも大事なことかもしれませんが、日本の人達からみたら、見捨てられたというような気持ちを味わうかもしれません。 
マザーテレサはいってしますね。『大切なことは、遠くにある人や、大きなことではなく、目の前にある人に対して、愛を持って接することです』偉い役人達には、駅のホームにたたずむホームレスは、人間でないように写っているのでしょうか?私には、どうも日本の資金援助というものに、政治的な意図を感じざる終えません。役人達は、自分達が立派に見られたいがために、日本の貧しい人たちを見捨てているのではないでしょうか?日本にも助けなくてはいけない人がいるということを、忘れずにいて欲しいものです。

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