王様とはじっこの村 ~王様とマリ④後編~

マリ達が村の入り口に着くと、村人達が歓迎してくれました。「ようこそ、はじっこの村へ!」そう、この村は国のはじっこ、だからはじっこの村です。
村人は、マリ達が着いたことをとても喜んでくれました。「王様、ようこそこんなはじっこまでお越し下さいましたね!」村で一番長生きの長老がいいました。「ちょうど、今日は一年に一度の村祭りなのです。どうか楽しんでいってくださいね!」マリ達は、丁度村祭りの時期に訪れたようで、大喜びです。「それは楽しみじゃ、村祭りには何かおいしいごちそうはでるのかね?」食いしん坊の王様は聞きました。
長老は答えます。「おお、そういえば、王様がぶつかった木から、それはそれはおいしい木の実がとれるのですよ!」おいしい木の実と聞いて、マリもにっこりです。「へぇ~おいしそうね!とても楽しみだわ!」
「そうだ、これからちょうど木の実を集めにいくのですよ、ご一緒されてはどうですか?」セバスチャンが答えます。「王様、ぜひご一緒させてもらいましょう。」「うむ、もちろんじゃ!」こうして、王様は長老達と木の実を集めにいきました。
確かに、マリ達がついらくした木には、よ~く見るとおいしそうな木の実がたくさんしげっています。「何ともおいしそうじゃな~」王様が木の実に手を伸ばすと・・・、ビュッっと一本の弓矢が木の実を打ち抜きました。
「きゃぁー、いったい誰?」マリがあわてて弓矢が飛ばされた方向をみると、なんと向かいの村の人達がカンカンに怒っています。「はじっこの村、その木は俺達向かいの村のものだぞ!木の実に手を出すな!」王様達は物かげに隠れましたが、長老は真っ直ぐに立って向かいの村の人にまけじと怒鳴り返しています。「何をいうか、いつもいつも邪魔をしおって!この木はワシらのものだぞ!今日は王様もいるのじゃぞ!」そうなのです、はじっこの村の人達は、となりの国の向かいの村の人達と、何かといっては争っていました。ここははじっこの村の土地だ、いや向かいの村だと、いがみあっていたのです。
本当は逃げ出したかったのですが、こういわれては王様も出て行くしかありません。「私がこの国の王様じゃ!この木はワシの国のものじゃ!木の実は誰にも渡さんぞ!」食いしん坊の王様としても、この木を他の国のものにしたくはないのです。セバスチャンも続けます。「王様に傷でもつけてみなさい!すぐに兵隊が飛んできますぞ!」兵隊ときいて、向かいの村の人たちもざわざわしはじめました。
でも、マリは思っていました。「どうして、私達は取り合うのかしら?この木は本当は誰のものでもないはずだし、みんなで分け合えればいいのに」と。
でも、王様達と向かいの村の人達の言い合いはとまりません。どちらも譲らず、このままでは本当に兵隊を呼ばなくてはいけないかもしません。マリは必死に王様に話しかけます。「ねぇ、なぜこの木は王様の国のものなの?」「そんなの決まっておる、わしの国の中にあるからだ!」王様は答えるのもばかばかしいというようにいいました。「じゃあ、王様の国は誰が決めたの?」「それは、王様のお爺さんですぞ!そのときから、ずっとここは王様の国なのですじゃ。」セバスチャンもさも当然だと答えました。
『その前は誰のもの?」今度は、誰も答えることができません。「どこの木が誰のものかなんて、人が決めたものでしかないじゃない!だから、この木はこのみんなのものよ。この世界から、私達は分けてもらっているんじゃないかしら?」マリは言いました。
この言葉に、いがみあいにうんざりしていた長老も大きくうなずきました。「確かにマリさんのいうとおり、この木は誰のものでもなかったのかもしれん。」王様も、セバスチャンも、向かいの村の人達も、本当は争いたくなかったので、この意見に賛成しました。
そして長老はいいました。「そこで、こういうのはどうじゃろうか?この木の実は、はじっこの村と、向かいの村でわけっこをして、それから向かいの村の人達には、祭りに交じってもらうというのは!?」向かいの村の人たちも、この提案に大賛成です。こうして、みんなでにぎやかに祭りが始まりました!
「王様、みんなで楽しめてよかったね!」マリは嬉しそうにいいました。「そうじゃの~、ところで、じゅうたんは破けてしまったんじゃが、どうやって帰ればいいかの~。」そう、マリのじゅうたんは木にひっかかって、破けてしまっていたのでした。
「そうだった、何とかしてよ、セバスチャ~ン!」
エピローグ
今、韓国の竹島、また中国との尖閣諸島、日本は領土問題で大きく揺れていますね。しかし、そもそも領土なんてものは人間が勝手に決めたものです。
私達が領土をきめるずーっと前から島はそこにあったというのに、いくら人が歴史を掘り返しても、正しい答えなんて見つかるわけがありません。結局、それは誰のものでもない。資源も土地も、私達は地球から借りているに過ぎません。私も、この問題をどう解決すればいいのかはわかりません。ただ、国という人のルールに縛られず、宇宙船地球号の一員として、平和の中で解決される事を祈るばかりです。

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