王様とマリ

王様とプロメテウス ~王様とマリ②  前編~

王様のところにやってきた、見習い魔法使いのマリ、第二回目の始まりです!
さてさて、マリがやってきてから一週間、マリはすっかりお城の生活に慣れてきました。退屈になったマリは、外に出たくてしかたありません。
「王様、今日は良い天気だし、そとに出かけようよ!」素直な王様は大賛成!「マリ、それは良いアイデアじゃ!しかし・・。」
王様はセバスちゃんの顔色を伺いました。王様は、この国の王様の仕事があります。といっても、大体は部下に任せて暇なのですが、暇な時はいかにも王様らしく、お城の王座に座っていなさいと、セバスちゃんにいわれているのです!
セバスちゃんはいいました。「ダメです、王様はこうしてわが国民のために、お城から王様らしく、国民のみんなを見守っていなくてはいけないのでございますから!」マリもセバスちゃんにそう言われては仕方ないと思いましたが、簡単には諦め切れません。
えい!ニセニコ、モグーン!」マリーは杖を一振りすると、なんと魔法で王様そっくりの人形を作って王座に座らせました。「これなら大丈夫でしょ?セバスちゃん」セバスちゃんも本当は外で遊びたかったのですが、仕方なく賛成したふりを装いました。
「まぁ、少しなら構わないですな。」「やったーーー!」マリは大喜び、王様もにんまりしています。「あ、でもこの人形動かないけど大丈夫かな・・・、私見習いだから、動く人形はつくれないの・・。」お城のみんなには、王様がいないとしれたら、大変です。
でも、王様は胸をはっていいました!「我輩はいつもぼーっとしておるので、大丈夫じゃ!」・・・王様、それでいいのでしょうか?でも、セバスちゃんが何もいわないところをみると事実なのかもしれません。
こうして、王様達一行は、お城の窓から三人乗りの箒にのって飛び出しました!「ヒャッホーーーー!」はしゃいぐマリとは反対に、王様はすっかりへっぴり腰になってます・・・。セバスちゃんも平気なふりをしていますが、箒を掴む手に力が入ってますね。
マリはうーんとスピードをあげて、ぐんぐん、お城が小さく見えなくなるまで、飛んでいきます。もう10個ほど山を越えると、大きな町が見えてきました。
ピカピカと町中は眩しく光り、道も綺麗に整理されてます。「王様、ここで降りてみてはどうかしら?とっても楽しそうよ!。」「それはいい!ここで探検じゃ。」といっても、王様は恐くて町の景色を全然みていませんでしたけどね!
マリは町の端にある、一番高い鉄塔にゆっくりと降りていきます。「ここは、科学の町、サイエンスタウンですぞ!我が国の中でも、一番実験がされている国でございます!」さすがセバスちゃん、伊達に長く生きているわけではありません。この国のことは、誰より物知りなのです。
こうして、三人は鉄塔の前に下り、鉄塔に入ってみることにしました。「わしじゃ、王様じゃ!開けてくれー!」王様が重そうな鉄の扉を叩くと、中からセバスちゃんより髭もじゃの博士が出てきました!
「ようこそ王様、私は紅茶の水博士、ここでは火の実験をしているのですよ!」鉄塔の中には、隅々までパイプが巡らせて有り、そこらじゅうで、ぜんまいやらばね仕掛けの装置が動いています。マリもびっくり、興味津々です。
「紅茶の水博士さん、ここでは何の実験をしているの?」「良くぞ聞いてくれました。ここでは、この”プロメテウス”という機械を作って、ずっと消えない火の研究をしているのです!」「へぇー、ずっと消えない火なんて、それは素晴らしいわ!魔法でもそんなに難しい事はできないもの」王様もびっくりです。
「ずっと消えない火とは素晴らしい!いつでもお風呂に入れるし、もうたき火もいらなくなるのう!」セバスちゃんはもちろん実験のことは知っていました。「博士、実験はどうでしょう?完成しそうですか?」
「なんとも偶然、実はちょうど今日、最後の実験をするところなのです!この実験がうまくいけば、消えない火は完成しますよ。」
紅茶の水博士は、”プロメテウス”を指差していいました。王様は実験をみたくてウズウズしております。「いつやるのじゃ?その実験は!早くやろうではないか!お風呂に入り放題なのだぞ!」王様はよほどお風呂が気に入っている様ですね。
「王様、準備はもう終わっていますよ!ちょっとティータイムをとってからと思いましたが、王様が来てくれたのですから、早速はじめましょうか!」セバスちゃんは気を遣っていいました。「王様のために、いいのですか?ティータイムが?」
「もちろん!私もお風呂には入り放題が楽しみです!」王様が見に来てくれたのが嬉しいのか、博士もすっかり張り切っています。「では実験開始!」博士の掛け声とともに、いよいよ実験がスタートしました。
                    ~前編終了~

プロローグ ~王様とマリ①~

ヒロシです。これまでもいくつか物事の真理を探究してしましたが、よりわかりやすく、様々な問題に近づいていくために、新たにストーリー仕立てにして、今起こっている問題にどう対処していけばいいのかということをお伝えしたいと思い立ち、『王様とマリ』という話を掲載していく事にしました。
というのも、仏教やキリスト教などの宗教や哲学、これらの中にある真理はその時代に合わせて作られたものであって、現代に起こっている色々な問題、例えば介護、少子高齢化、インターネットのことだったり、失業などの問題に向き合うには、これらの教義や解釈を現代にあわせて考えていくことが必要であり、そうすることで生きていくヒントが見つかるのではないかと思います。といっても、話はこれから考えていくわけですが・・。掲載はゆっくりになるかもしれませんが、少しずつ書いて行きたいと思います。
それでは、第一話『プロローグ』です。
ある所に、王様がおりました。それはもう、どこにでもいるありきたりな王様です。何不自由なく、お城の中でぬくぬくと育ち、この国の王様をしております。平和なこの国で、のんびりと暮らしています。でも、そんな王様にも悩みはあります。
王様は生まれたときから王様、勝手に辞めることもできませんし、いつも誰かが側にいるのです。王様は自分の”王様”という役割に退屈していました。「何か面白い事はないものか?のう、セバスちゃん?」王様は、部下の執事に話しかけました。
黒髪で背が高く、いかにも執事っぽい感じの人、それがセバスちゃん。歳は50歳ほどですが、いつもはきはき、王様がもっとも信頼している部下です。冷静そうに見えて熱血漢、子供のころから王様の教育係であり、またいい遊び相手でもありました。
セバスちゃんはいいました。「王様、気分転換に窓でもあけて街の景色をみてはどうでしょう。」王様はいいました。「それがいい、さすがセバスちゃんだ。」どんなに平凡な言葉でも、素直に感心する。それがこの王様です。
窓を開けると気持ち良い風、草花の香りが入り込んできます。降り注ぐ太陽の光、そして空飛ぶほうき。・・・・え?ほうき??お城の窓に、なんとほうきが飛んできました。それも、人を乗せて・・・。
そう、魔法使いがほうきに乗って王様のお城にやってきたのです!ガシャーン!!魔法使いは壁に一目散、ぶつかって伸びてしまっているようです。
王様もセバスちゃんもびっくりです。王様は叫びます。「なぜほうきが、人に乗って、土間からはいってきたのじゃー??
「王様、 人がほうきに乗って窓から入ってきたのですよ。」セバスちゃんが王様のひどい言い間違いを直します。
「セバスちゃん、わしの言い間違いはどうでもよい、それよりこの魔法使いをどうすればいいのじゃ!」王様は魔法使いを指差して言いました。魔法使いは、壁にぶつかったショックでうずくまっていいます。
あたふたしているうちに、物音を聞いた王様の兵隊が大勢駆けつけました。「王様何事でしょう!?」何か一大事でも起きたのかと、兵士達は鉄砲や、槍をもって王様の部屋に集まってきました。
王様の目線の先には、一人の魔法使いがいるではありませんか!それを見た兵隊の一人が言いました。「王様、これは魔法使いではありませんか?この魔法使いは、きっとこの国を滅ぼそうとやってきたに違いありませんよ!今のうちに殺してしまいましょう。
なんと、残酷にも兵隊は魔法使いを殺そうと提案しているのです。世間知らずで、素直な王様は思いました。きっとこの魔法使いは、王様の国をほろぼしに来たに違いないと。
「それもそうじゃな、魔法使いは今すぐ処刑してしまうのじゃ!鉄砲隊、発射よーい!」王様は、鉄砲隊に号令をだしました。鉄砲隊は、鈍く光った筒を一斉に魔法使いにむけました。ざんこくなようですが、セバスちゃんも、王様の命令ならしかたないと、黙っているばかりです。
その時、魔法使いが目を覚まし、ゆっくりと顔をあげました。鉄砲は魔法使いを捕らえたままです。王様が魔法使いの顔を覗き込むと、なんと魔法使いはまだ幼い少女です。歳は15歳くらいでしょうか・・。
少女の魔法使いは鉄砲を向けられる事にびっくりしていいました。「どうして鉄砲をむけているの?窓からはいってきたことは謝るけど、私は何もしてないわ!」相手が少女だという事に、王様も驚いています。「魔女といっても、まだ少女ではないか・・。」
しかし、兵士達は口々にいいました。「王様、騙されてはいけません。魔女は恐ろしい魔法を使うのですよ!いまのうちに殺してしまいましょう」王様は世間知らず、魔女のことはよくわかりません。しかし、恐ろしい魔法を使って平和なこの国をほろぼされてはたまりません。まだ少女といっても、魔女は魔女なのです。
「よし、やっぱりこの魔女は殺してしまうのだ!鉄砲隊、構え!」王様が号令をかけると、鉄砲隊は一斉に銃を構えます!魔女は泣き叫びいいました。「ひどいわ、私は魔法を使うけど、人を殺したりはしないのに!あなた達の鉄砲は人を殺すための道具じゃない!魔法は人を殺すためにあるものじゃないわ。鉄砲を作ったあなた達の方が、よっぽど恐ろしいわ!」少女の頬を涙が伝います。
泣き叫ぶ魔女の姿を見て、王様は思いました。一人の少女に鉄砲を向けて取り囲んでいる人間達と、ほうきをもった魔女。魔女のいうとおり、人を殺すために鉄砲をつくって、争っている人間の方が恐ろしいのではないか・・。「この魔女のいうとおりじゃ!鉄砲隊、構えやめ!」
王様は魔女に謝りました。「本当に恐ろしいのは、鉄砲をもって、一人の少女を追いつめているワシらの方かもしれん。怖い思いをさせてすまなかったな。」魔女はまだ怖さのあまり泣いていましたが、王様の言葉にゆっくりとうなずきました。
今度はセバスちゃんが語りかけます。「魔女さん、あなたの名前は?この国に何しに来られたのですか?」魔女は応えます。「私の名前はマリー、一人前の魔法使いになるために修行をしているのよ。」セバスちゃんはいいました。「マリー殿、それなら、ぜひこのお城で暮らしてはどうでしょうか?」「このお城からは、国の隅々まで見渡す事ができますし、いろいろな情報が入ってきますよ。いいですよね?王様?」突然のことにびっくりしたようでしたが、ちょうど退屈もしていた時ですし、王様もうなずきました。
マリーは大喜びです。「本当にここで暮らしていいの?こんな素敵なお城に住めるなんて、私嬉しいわ!」素敵なお城といわれて少しとくいになった王様はセバスちゃんに命令します!「よし、では決まりじゃ!マリーに暖かい食事と、ふかふかなベッドを用意するのじゃ!」こうして、魔法使いのマリーは王様のお城に住む事になりました。
                            ~プロローグend~
今、核兵器の開発が大きな問題になっていますね。世界では、限られた国だけが核兵器の保有を認められ、その他の国が核兵器を持とうとすると、アメリカなどが中心となって非難をしております。
といっても、他の国からしてみたら、なんでアメリカはもっているのに、自分達がもっていけないのかということは当然の主張といえるかもしれません。
見えない魔法に怯えた王様は、鉄砲を使ってマリーを殺そうとします。しかし、本当に恐ろしいのは、一人の少女を鉄砲で取り囲んでいる王様自身だったのです。長い間お付き合いありがとうとざいました。今日はこの辺で失礼します。